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天高くロバ肥ゆる秋。もしくはロバにいる魔法使いのお話。

October 4, 2016
天高くロバ肥ゆる秋。もしくはロバにいる魔法使いのお話。

こんにちは、無機質を愛でるロバ2号です。
芸術の秋、食欲の秋、秋はいろいろなことがはかどる過ごしやすい時期ですね。
3号が作るおいしい昼ごはんで、1号と2号は健康的に過ごしております。

秋といえば読書の秋でもあります。
先日、私はえほんてなブルさんにおすすめしていただいた『ヴァン・ゴッホ・カフェ』という本を読みました。作者はシンシア・ライラントさん。
元劇場だった建物の片隅にあるヴァン・ゴッホ・カフェで次々に起こる小さな魔法のお話。
この魔法というのは別に空を飛ぶだとか何かに変身するといった類のものではないんですが、確実に「おっ」と感じる素敵なことが起こっているんです。
これを魔法と感じるかどうかは読む人によって変わってきそうです。
もしかしたら魔法の始まりってこういうことだったんじゃないかなあ、なんてことも思いました。
短くてすぐに読める本ですが、余韻が長く残る、秋に読むのにはとてもいい本でした。

この『ヴァン・ゴッホ・カフェ』の訳は、中村妙子さんでした。
たくさんの翻訳をされている神のようなお方ですが、私が一番なじみのあるのはアガサ・クリスティー作品です。

中村さんの訳したクリスティの中で、特に印象深いのは『春にして君を離れ』です。
アガサ・クリスティーなのに殺人事件の起こらない珍しい本なんですが、なかなかどうして、その辺のミステリよりもよほど恐ろしいお話です。
良き夫、良き子どもに囲まれ自分は誰よりも幸せであると信じて疑わない一人の女性が、旅先で出会った友人との会話をきっかけにして、どんどん自分の人生に疑問を持ち始めていくお話です。
「クリスティ!意地悪!」と思ったのを覚えています。
どの立場に立って読むかで見所が変わると思うんですけど、本当に面白いので、未読の方は是非読んでみていただきたいです。最後まで一気に読ませてくれます。文庫の解説は、中島梓(栗本薫)さんなんですが、この解説がまたすごいのでした。

さて、私にとって、アガサ・クリスティーといえばなんといってもポワロです。
子どもの頃に見ていた『名探偵ポワロ』は本当に面白かったです。毎回毎回あのテーマ曲を聴くたびに「何かが始まる!」と期待に胸を膨らませたものです。
起こっているのは殺人事件なので、期待に胸を膨らませるというのもどうだろうねって話ですけども。

現在またNHK・BSプレミアムでポワロシリーズを放映しているんですが、先日『エッジウェア卿の死』というお話が放映されました。
あらすじはNHKのHPに委ねて割愛しますけど、今日お伝えしたいことは、そのドラマの中でエッジウェアという名の伯爵が使っていた『ブロッター』です。

『ブロッター』ってご存知ですか。
インク取りです。
取っ手を持って吸わせたい部分にぐりぐりあててインクを紙に吸い込ませる器具です。

(↑これです)
ブロッターっていう名前は何度聞いてもまったく覚えることができないので、別の名前を考えて差し上げたいと個人的に思っています。

で、その『ブロッター』なんですが、ロバ企画室にもあるんです。
その昔、「インク取り機がほしい!(かっこいいから)!」と1号にお願いしてロバにも置いてもらったんです。
雰囲気があるよねってことで木製のものになったんですが、大正解でした。
ロバにあるブロッターは、たたずまいに趣があって良いです。

そこで一度、ブロッター熱は収まったのです。
が、先日見たエッジウェア卿が使っていたブロッターは、もっともっと雰囲気があったんです。
私はテレビを見ながら「なんてことだ!」と叫びました。心の中で。
サイズがまず全然違っていたんですが、それはいい。それよりも気になったのはふわふわしていることでした。
紙に押し付ける曲面がふわふわしていて、とても使い心地が良さそうだったのです!
一瞬だったのでよくはわからないのですが、絶対使い心地が良さそうでした!!

猛烈に「うらやましい!!!」と思ったのです。

そこで今日、私は1号にお願いしました。

「うちのインク取り機もふわふわさせてほしいっ!」

1号は、その話を聞いて一言。

「よし、ふわふわさせよう」

それからおもむろにブロッターを手に取り、曲面を眺め、「フェルトが良さそうだ」と呟きました。

どこかからフェルトを引っ張り出して(ロバにはいろんな材料が常時置いてあるのです)、
サイズを測り(メジャーもすぐ出てくる)、
鉛筆でフェルトに線を入れて(このひと手間が丁寧なものづくりには欠かせないと私は今日知りました)、
はさみで切って(ロバにははさみがたくさんあります)、
ボンドで貼り付けて(ここの作業は見逃しました)、
そして見事に完成したのです。

この間、わずか10分(くらい)!
あっという間にふわふわのブロッターが出来上がったのです!!

「1号は魔法使いかもしれない!!!」

私はたいそう感激して、しばらく用もないのにぐりぐりしては、豪華なブロッターの感覚を楽しんだのでした。


オレンジのふわふわがついたブロッター。

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